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墓穴の先にはエディーがいた
なんでさっきまでジェイムス自身を掘り下げていたのに突然エディーの世界に迷い込んでしまったんだろうか…
ロジカルに考えるよりは、“たまたま迷い込んでしまった”と考えるのが自然かもしれない。サイレントヒルの世界ではそういうことがよくある。
エディーの背景
長年いじめを受け続けており、ある日、怒りが頂点に達していじめ加害者が飼っていた犬を射殺。更にいじめ加害者本人の脚にも銃撃し、負傷させてしまう。
動揺したエディは、警察から逃れるべく寂れた田舎町サイレントヒルへ逃亡するが、サイレントヒルの街には「罪」を持つ者を引き寄せ、負の感情を具現化する力があった。結果、自らの罪悪感が生み出した死体に満ちた街を彷徨うことになり、やがて完全に狂気に冒されてしまった。
※:小説版ではエディーが狂気に冒される経緯が書かれており、彼がサイレントヒルに来てから、自分の罪悪感の象徴とも言える犬(や恐らくいじめ加害者も)が怪物化して彼の前に立ちはだかり、散々にトラウマをえぐった模様。結果、彼は自分の内面の闇に真っ向から向かい合うことができず、怪物を殺害。闇の泥沼にはまってしまったのである。
pixiv百科事典から引用
エディーとの会話1
- エディー「俺なんてほっとけばよかったんだ」
- エディー「なんでこんなところまで追いかけてきた」
- エディー「何度殺されりゃ気が済む!?」
- ジェイムス「エディー?」
- ジェイムス「うわっ エディー 私だ」
- エディー「ああ あ…」
- エディー「やあジェイムス」
- ジェイムス「エディー…何をした?」
- エディー「何をしたと思う?」
- エディー「”ブタの穴から生まれたブタクソ野郎”」
- エディー「”さっさと泣けよママに慰めてもらえ”」
- エディー「”生きるだけ無駄だ” “なんで死なねえんだ!?”」
- エディー「ああ…」
- エディー「そうだよな」
- エディー「俺はバカでノロマで弱虫なデブだ」
- エディー「でもな」
- エディー「誰だって 天才でも 顔がどんなに良くても」
- エディー「死体になっちまえば同じ!」
- エディー「デブより価値がない!」
エディーの本性が出てくる…というよりエディーは自暴自棄になっているようにも見える。もともとエディーはいじめを受けていたので自己肯定感はかなり低い。⑦~⑨のセリフは他人から言われた言葉だと思われる。
⑤の「やあジェイムス」の感じを見るとまだ他人に対してはギリギリ平静を保っていたが…
ジェイムスがエディーをちょっと刺激してしまったことで一気に爆発してしまう。ジェイムスはただ「何をした?」と声をかけただけですが、エディー自身の被害認知が強すぎるので馬鹿にされているような、問い詰められているように感じたと思われる。
エディーは一気にまくし立ててくるが…⑩で「ああ…」と少し後悔しているようにも見えた。
エディーとの会話2
- ジェイムス「エディー」
- エディー「何だ?」
- エディー「お話でもしようってか?落ち着けって?」
- エディー「あんたも同じだ ジェイムス」
- ジェイムス「それは違う」
- エディー「もう 黙れ!」
- エディー「俺をバカにしてる」
- エディー「分かるんだからな」
- エディー「ずっと俺を見下してた」
- エディー「会った時からだよ」
- エディー「もう笑わないのか?」
- ジェイムス「も…もうやめよう」
- エディー「きれいごというな ジェイムス」
- エディー「町に呼ばれたんだろう? なあ」
- エディー「俺とおんなじだよ」
- エディー「そんな善人面したって無駄さ」
- エディー「ああ…」
- エディー「すぐに分かるよ」
ジェイムスが本当にエディーを馬鹿にしていたかどうかはわからない。
しかしエディーの感じを見ていると”あんまり関わりたくないタイプの人”に見えるがジェイムスはそれでも丁寧に話しかけてコミュニケーションを取り続けようとしたのでジェイムスは見下してたというより助けようとしていたように思う。
「町に呼ばれたんだろう? なあ」のセリフから考えるにエディーはサイレントヒルがどんなところなのか理解しているようだった。(罪を犯した人が導かれてしまう町であるということ)
そのためジェイムスもそういった二面性があるように推測されるため、疑心暗鬼になっていたと思われる。
もちろんいじめ等による影響で自己肯定感がかなり低くなっており、他人に言われた言葉を悪く捉えがちな傾向がエディーにはあると思うのでその点も加わって完全にジェイムスと敵対してしまうのであった。
エディー戦
前半戦のセリフ
- あんたにわかるか?ジェイムス
- いつも嫌われ いじめられてきた
- この見た目のせいで
- ああ あの犬をぶち殺して逃げたんだ
- いじめ加害者の飼っていた犬
- でもメチャクチャ楽しかった
- 自分のはらわたかみちぎろうとして最後は丸まって死んだよ
- で奴が追ってきたから 脚を撃ってやったんだ
- 「奴」は恐らくいじめ加害者
- 犬よりキャンキャン鳴いてたよ
- 次はあんただ ジェイムス
恐らくいじめ加害者にやり返した時の成功体験によって、「加害してくる奴は殺せばいい、自分にはそれができる」と捉えてしまったのだと思われる。
エディーはサイコパス気質があるというよりは、過去のトラウマによって倫理観や性格が歪んでしまったというのが言えそうです。
エディー本人がすべて悪いというよりは、主にいじめ加害者や他人によって理不尽な目にあっていてそれによって性格が歪んでしまったのに、サイレントヒルとしては「真実、現実に向き合わず逃げ続けているからダメです」という扱いを受けていて救われないのはなかなかにかわいそうな存在である。
後半戦のセリフ
- ここで死ね ジェイムス
- もがいてガキみたいに泣き叫ぶがいい!
- で最後は丸まって死ぬんだ!
- 最高だろうな
- 前と同じだ!
やっぱり犬といじめ加害者を撃ち殺した時の成功体験が気持ち良すぎてそれに引っ張られている感じがこれらのセリフから推測できそうです。
彼の人生の多くは苦しい時間だったと思われる。そんな中いじめ加害者に対してやり返したことが貴重な成功体験だった故に、強く強く記憶に刻まれてしまった故にこのような末路になってしまったと思われる。
エディーを殺す


以前の考察記事で書かれている通り
ジェイムスはここで人を殺してしまったのは初めてではない気がする…ということに気づいてしまいます。
真実が徐々に見えてきたので、この時点から自分で作りだした嘘であるメアリーからの手紙という存在が徐々に消えていくことになるのであった。
トルーカ湖を渡る



↑クリックで拡大できます。
この場所は「光の淑女」の伝説の一部が再現されたようなシチュエーションになっていると思われる。
真実の愛を求める人々は、今でも湖上で淑女の光を見ることができ、愛する人を迎えに来るために輝いているのだと云う伝説が、今なお残っている。
やっぱり物語の主軸的には「ジェイムスは心からメアリーを愛していた」が正しいと言っていいと思う。
レイクビューホテルに辿り着く



レイクビューホテルに入るとすぐ地図が手に入る。
312号室に「あなたを待っている」と記述されており、ここがメアリーと一緒に泊まった部屋だと思われる。
そして受付のメモで金庫にビデオテープがあるということがわかる。


ホテルの鍵は何故か312しか存在していない。
ローラと再会する







ローラとの会話1
- ローラ「おどろいた?」
- ジェイムス「ああ とてもね」
- ジェイムス「当然の仕打ちか バカジェイムスには」
- ローラ「かもね」
- ローラ「でもね ヤな人じゃないよ ちょっと….ウザいだけ」
- ジェイムス「そうかい それで….」
- ジェイムス「次は何をする気?」
- ジェイムス「奥の暗い部屋にでも閉じ込めるとか?」
- ローラ「んん….いいや もう十分 今はね」
- ジェイムス「そう なら安心だ」
- ローラ「それより メアリー探すの手伝ってよ」
- ローラ「いるんでしょ? ね? お願い 教えて!」
- ジェイムス「メアリーがここに?」
- ローラ「メアリー 手紙に書いてたもん」
- ジェイムス「手紙?」
- ジェイムス「本当にあったのか」
- ローラ「ああ….うん….読みたい?」
- ローラ「でも レイチェルに内緒ね」
- ジェイムス「レイチェル?」
- ローラ「看護師さん ロッカーから….こっそり取ってきたの」
最後に会ったのは病院表世界のボス戦のところで、プレイヤー的には結構前なので久々に感じる。
ローラが警戒を解いてくれた感じだろうか…二人の距離感は一気に縮まり、かなり話をしてくれるようになった。
メアリーの手紙の内容の一部
あなたはジェイムスのことを嫌ってて会おうとしなかったけど
でも何かあったらいつでも頼りなさい
ぶっきらぼうであまり笑わない
ちょっと短期な人だけど本当はとても優しい人だから
信頼していたメアリーが書いた手紙の中に、上記の文章があったので「ジェイムスは悪い人ではなかった」と認識を改めたのかもしれない。
ジェイムスはローラが持っていた手紙を読ませてもらうことになるが、あることに気づく。
ローラに宛てたメアリーの手紙
かわいいローラ
あなたがこの手紙を手にするときには私はもういない
とても遠く静かな場所にいってしまったから別れも言わずいなくなってしまってごめんなさい
ローラ 元気でね
あまりシスターを困らせないように
あなたはジェイムスのことを嫌ってて会おうとしなかったけど
でも何かあったらいつでも頼りなさい
ぶっきらぼうであまり笑わない
ちょっと短期な人だけど本当はとても優しい人だから
大好きよローラ 本当の娘のようにあなたを愛してた
もし病気が治るならば本当の娘にしたいと思っていた
それでもきっといい人生を歩んでね
あなたは強くて賢く美しい子よ
8才の誕生日おめでとう ローラあなたの親友 メアリー
この手紙は近々自分が死んでしまうと悟ったメアリーが看護師のレイチェルに、自身が亡くなった後に二人に渡して欲しいと託したものだと思われる。
「あまりシスターを困らせないように」というところでローラが孤児であるということがわかる。シスターは恐らく教会のシスターでアメリカでは教会が孤児院を運営していることが一般的によくあることなのでその関連性で面倒を見てもらっているシスターだと思われる。
そしてメアリーとローラの関連性をこの時初めてジェイムスはちゃんと理解することになる。
エンディング後の二人
メアリーがとても大切にしていた、本当の娘にしたいと思ったほどの存在であるならば優しいジェイムスなら面倒をみてあげようと思っても不自然ではないと思う。
つまりLeaveエンディング(過去を断ち切り罪を背負い、ローラと二人で町を出る)に繋がっていくが…結末はプレイヤー次第。
この感じならLeaveがトゥルーであって欲しいものである。
In Waterのエンディングが正史とよく言われるが、それはサイレントヒル4に登場する主人公が住んでいるアパートの管理人がジェイムスの父親で、その父親の日記曰く「ジェイムスとメアリーは行方不明になった」というのが確認できるため正史と言われているのともう1つ
ノベル版のサイレントヒル2のエンディングがIn Waterになっているというのも根拠にあげられる。
公式が出したノベライズがそのエンディングを選んだから正史という理解はわかるけど…そもそも小説では複数のエンディングを用意するのは難しいという都合があるので確定とは言えないのではないだろうか。
そして「行方不明」となっているだけで死亡した証拠とかは無いので死亡したのが確定ではなく、サイレントヒルを脱出後に何かしらの伝手でひっそりと新しい人生を歩んでいるという可能性も0ではないと考えることもできる。
追加された「stillness」というエンディングが正史である「In Water」のアレンジのようなものになっておりこのエンディングではジェイムスは恐らく死んでいないと言われているのでやっぱりジェイムスとローラは生きているというルートを考えても良いと思う。
「stillness」の考察はまた後に書こうと思う。
ローラとの会話2
- ジェイムス「ローラ…」
- ジェイムス「今は何歳だ?」
- ローラ「えと 先週8歳になった」
- ジェイムス「じゃあつまり 3年前に死んだんじゃないってことか…」
- ジェイムス「メアリーはここにいるのか?」
- ジェイムス「ここが”遠く静かな場所”なのか?」
- ローラ「いつもサイレントヒルの話してた」
- ローラ「写真も見せてくれたし また来たいって言ってたもん」
- ローラ「ジェイムスの話もしてたよ いつもそれに…」
- ジェイムス「何? なんだい?」
- ローラ「それに…手紙がもう1通あるの」
- ローラ「きっとジェイムス宛だよ 封筒に名前が書いてあった」
- ジェイムス「読んだのか?」
- ローラ「ううん 読んでは無い 1度だけ」
- ローラ「読もうとした ジェイムスに渡したくなくて」
- ローラ「でもメアリーはジェイムスに読んで欲しいだろうから」
- ローラ「私がとっておいたの ここに」
- ローラ「はい」
- ジェイムス「空っぽだ」
- ジェイムス「手紙なんてないぞ」
- ローラ「ウソ! でも…わたし取ってない ほんとよ」
- ジェイムス「じゃあどこにある?」
- ローラ「な なくしちゃったのかな」
- ローラ「探してくる!」
- ジェイムス「ローラ!」
ジェイムスは状況を理解しつつあるが、微妙にズレている。
ジェイムスがサイレントヒルに来た理由の認識は「3年前に亡くなった妻から手紙が来た」という理解になっているが
「8才の誕生日おめでとう ローラ」の部分と「現在のローラの年齢」から推察したジェイムスは恐らくメアリーは生きているという解釈に変わったと思われる。
「じゃあつまり 3年前に死んだんじゃないってことか…」というセリフはそれを裏付ける。
更に「ここが”遠く静かな場所”なのか?」とローラに質問し恐らくメアリーは生きているという根拠を強めようとしている。
しかし冷静にこの手紙を読めば文脈的に“遠く静かな場所”は所謂「天国」とか「あの世」を示しているように思うが…この状況下のジェイムスは必死なので“メアリーは死んでる”と諦めることは無かった。
その11

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